元ラグビー日本代表テクニカルコーチ:村田祐造先生(プロ編)
1975年 埼玉県生まれ。
東京大学精密機械工学科卒業後、東京大学大学院へ。
2001年 三洋電機ラグビー部ワイルドナイツ所属プロラグビー選手となる。
2002年 アジア競技会および2003年ラグビーW杯ラグビー日本代表チームテクニカルコーチに。
現在はスマイルワークス(株)代表。
映像分析・コーチングに関するコンサルティングや教育研修事業に携わる。
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1)もしも貴方の大変お世話になり、頼みごとを断れない立場の方から、
『どうしてもウチの息子は気が弱い。これは今後の人生において大きな障害になる。
なんとか1年で、どんな障害にも負けずに人生を強く生き抜く人間にしてもらえないか』
と依頼されたら、何をどのように指導しますか。お金や手法に制限はないものとします。
その際、指導上のコツなどございますでしょうか。
●まず現状(自分がビビっていること)に、自分で気付かせる。
直接それを教えるのはダメ。
試合の映像から、腰がひけているシーンを集めておいて、たとえば
「どうしたらもっと上手くなるか、一緒に考えようか」などと声をかけ、その映像を一緒に見る。
すると良い選手は自分で「俺、なんかタックルの位置が全部高いですね」と気付く。
(あるいは、その選手が信頼しているチームメイトと一緒に見させて、そのチームメイトから言ってもらう。)
選手のレベルが低い時は、直接教えた方が早い。(teaching)
能力は高いが、意欲が低い選手には、まず話をよく聞いてやる。(counseling)
能力が低く、しかし意欲の高い選手には、その選手が憧れるような選手や先輩の映像を見せたり、話をする。(modeling)
●次に、自分の理想の姿に気付かせる。
理想の選手が、遠すぎる人で現実感がない場合は近くにいる存在から探すようにする。
怪我などの経験からどうしてもビビってしまう場合は、当面の課題を簡単にさせる。
たとえば、大勢の人前でも堂々と話せるようになるのが理想の姿なら、
まず最初は、人がいると思って、人がいないところで話す。
野球なら、いきなりホームランは打てない。
ならば、素振りをまずは超完璧な素振りにできるよう練習する。
たかが素振りと思うかもしれないが、その素振りが完璧にできた時は、
もう世界が変わっている。
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2)上記のようにお考えになる理由として、気が弱かった子が気が強くなった事例や、
内向的だった子が積極的になったなどの指導経験やエピソードをお聞かせ下さい。
●ポジションがセンターの難波という選手がいた。
学生時代はすごく低いタックルをかましていて良かった。
が、ジャパン(日本代表)になったら、敵に抜かれることが多くなった。
彼のタックルシーンを映像で拾い集め、分析すると
外国人相手に「高い位置に」タックルしていることが分かった。
そのタックルは国内では通用するレベルだったので、
外国人選手に通用しないことになおさら気付けていなかった。
しかし難波選手は、現役時代の自分よりも名選手だったため、
それを僕が直接言うより、彼に気付いてほしかった。
そこで前述のようにしたところ、
「俺、大学時代もっと低いタックルしてましたね」と気付いた。
それから、彼の低いタックルは日本の勇気を象徴するようなプレーになり、
彼のそのプレーでチームも変わっていった。
(その頃、知らず知らずにみんなタックルが高くなっていた。)
そして遂には、彼は他のチームのモデリングの対象にまでなった。
●一番のポイント:(自分の映像で)現状に気付かせ、理想に気付かせる。
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(編集後記)
実は「eコーチング」と聞いて、予備校の「映像授業」を連想していたのですが、勘違いも甚だしくお恥ずかしいばかり。映像という情報技術と、相手のレベルを見極めた指導法を駆使する村田先生から、貴重なお話が聞けました。どうもありがとうございます!(宮本)
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(07/09/14)
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