洗心道場師範長:内田信之先生
名古屋市出身。
中京高校(現、中京大中京)から中京大学体育学部武道学科卒。
大学時代は、西日本学生剣道大会団体優勝、東海学生優勝大会団体優勝、
全日本学生選手権個人ベスト8。
卒業後、(株)名鉄パレ入社、中部地区実業団剣道大会団体5年連続優勝、
全日本剣道連盟対抗剣道大会団体優勝。現在(株)ウチダ企画代表取締役。
洗心道場一期生、現在洗心道場師範長。
【生徒の戦歴】
全日本剣道道場連盟日本武道館愛知県予選
平成17、18、19年3年連続優勝。
平成18年全日本選抜個人剣道大会優勝(廣田憲亮)。
内閣総理大臣杯富士箱根ランド少年剣道大会優勝。
九州大麻旗争奪剣道大会平成18、19年2年連続優勝。
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1)もしも貴方の大変お世話になり、頼みごとを断れない立場の方から、
『どうしてもウチの息子は気が弱い。これは今後の人生において大きな障害になる。
なんとか1年で、どんな障害にも負けずに人生を強く生き抜く人間にしてもらえないか』
と依頼されたら、何をどのように指導しますか。お金や手法に制限はないものとします。
またその中で一番大事だと思われるポイントは何でしょうか。
一番のポイント:限界まで追い込むことと大量の基礎練習
●繰り返し徹底して基礎練習を行う
洗心道場の特徴として、基礎練習の徹底があります。
1時間半の練習の大部分を、基礎である切り返しと打ち込みの練習に充て
(およそ1500本ほど)、試合に勝つための練習はほとんどしません。
試合に勝つための練習は、試合が近くなったときだけにとどめます。
こうして基礎を徹底することにより、己の限界を味わいます。
限界を味わうことで壁を実感し、さらに基礎練習を徹底させることで
その壁を突き破れるだけの力を養わせます(ただし倒れるまではやらせない)。
こうして基礎練習の反復で形成された地力は、剣道に限らず、
他のどんな分野に行っても挫けずに立ち向かう力となるでしょう。
技は基本的にほとんど教える時間を設けません。試合の少し前のみです。
いきなり技を教えても、小手先の剣道になってしまって後で通用しなく
なってくるからです。
子供のうちから基礎をしっかりを叩き込んでおくと、高校、大学になってから
通用するようになってきます。
基礎の繰り返しにより芯を形成し、自分の中心を保って、相手の心を
ずらす力がついてきます。
●限界まで追い込む
恐怖心は肉体や精神をギリギリまで追い込むことで打ち克てるようになります。
最初は5の力しかなくても、追い込むことで6にも7にもなっていきます。
勝負における最後の一本は自分を捨てたときに打てるようになります。
最後の最後、勝負を決める一本というのは複雑なものでなく、一番簡単な技が出ます。
こういう局面(勝負どころ)で、普段どれだけ地力を養ったか、
基礎を徹底して行ったかが重要になってきます。
厳しい練習を行わないと、6分や7分の力が自分の限界と
思い込んでしまうかもしれません。
そしてそれが限界と思い込んでしまうと、なかなかそれ以上は
伸びなくなってしまいます。
そういう認識を改めるため、打破するためにも基礎を徹底すること、
追い込むことは大事なことです。
追い込むことで限界を突き破る力を養うことができます。
これは人生において、壁にぶつかったとき、突き進めるだけの
力を養うことにもつながります。
突き進むか、回り道を選ぶかで人生の幅はかなり変わってしまいます。
また、限界まで追い込むことで生徒の長所や短所が見えてきます。
打ち込みの量が膨大なので、生徒の中には練習中に吐く子もいます。
しかし、そういう練習の中でも辛い顔を見せない子もいるし、
ムラが出てくる子もいます。
普段の練習時にそれらの生徒の長所・短所を把握しておき、
試合時に長所が上手く活かせるように、短所が試合に出ないように
指示します。
●具体的な目標を与える
生徒に対して「どこまで行きたい?」と問います。
今までに何人も指導しているので、どの程度練習すればどこまで
いけるのかというのがだいたいわかります。
愛知で一番になりたいなら愛知で一番の努力、日本一になりたいなら
日本一の努力をしないといけないと教えています。
また、「自分達(先生方)が10年で覚えた技を3年で覚えるように」と教えています。
先生が10年かけて覚えたものを、生徒も10年かけて覚えていたら意味がないのです。
普段の練習では、人が3時間かけて行う練習を1時間以内でこなす意識で行っています。
●おだててやらせるのは限界がある
低学年の子は楽しくなるように、教えたことができただけでも褒めます。
しかし高学年になってくると、ほとんど褒めることはしません。
道場内で「ここまでこないと褒めない」という暗黙の了解があります。
その子にとっての山を越えた時に褒めてあげます。
具体的には、間合いや脚捌きを克服した場合などに褒めます。
また、試合時の「ここだ」というときに褒めたり、抱きしめた
りします。普段やらないので効果があります。
普段から褒めたり抱きしめたりしていると、慢性化してしまい
ます。
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2)上記のようにお考えになる理由として、気が弱かった子が気が強くなった事例や、
内向的だった子が積極的になったなどの指導経験やエピソードをお聞かせ下さい。
●道場全体の事例
洗心道場の大きな特徴として、「通い続けていれば皆変わっている」
ことが挙げられます。
道場に入門してきた頃から元気に動ける子なんて1割程度で、
大概は消極的。挨拶もできず、声も出ません。
しかし日々の練習における、徹底的な声出し(気合)や指導により、
徐々に皆変わっていき、高学年になる頃には皆積極的に声を出して、
前へ出るようになっています。
また気の強さ以外の変化で言えば、4年生以上で太っている子がいません。
入ってきた頃は丸々と太っている子でも、継続する内に徐々に
痩せていきます。厳しい練習に加え、お菓子やジュースなどを
禁止することもあります。
なので、最も太い子でも普通くらいの体型です。
(スタッフ)
実際に練習を見せて頂きましたが、太い子は一人もいませんでした。
●いじめに遭っていたA君の事例
小学2年生のA君が、学校で複数の子たちにいじめに遭っていました。
そしてA君はそれに対して受身に回っていたようです。
そこで1対1で闘ってみろと言いました。
「暴力は良くないことだが、正しいことは正しいと
皆の前で矢面に立って言ってみろ。
そうして皆に何故闘うのかという筋を伝えた後ならば、闘ってよい」
と伝えました。
自分の携帯番号も教えて、何かあったら言って来いと伝えておきました。
しかし2週間くらいしても何も言ってこないから、気になって聞いてみました。
そうしたら、相手が攻撃をしてきたときに、前に出て言ったら
闘うこともなく解決できたとのことでした。
立ち向かう心構えが大事だったのです。
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(編集後記)
皆物凄く声が出ていて、小・中学生とは思えないくらい動きが俊敏でした。流石に全国での実績を残している道場は気迫が違うと感じました。最後に内田先生からお聞きした「理念」を掲載させて頂きます。
「剣道は、礼にはじまり、礼に終わる。相手を敬う気持ち、勝っても相手の前ではガッツポーズなどのパフォーマンスはしません。相手を思いやるからです。本当の強さとは、まわりの人に心配りができる純粋なやさしさだと私は思います」
お忙しい中、大変参考になるお話をありがとうございました!(浅野)
当道場では、道場訓として「躾(しつけ)・体力・技」をモットーに、
心身の鍛練と礼儀を正し、健全な青少年の育成をしています。
初心者・経験者は問いません。あなたもたのしい道場で剣道を
習ってみませんか!もちろん一般の方の入門も随時歓迎いたします。
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